『目が見えなくなっても、耳が聞こえなくなっても、思い出は思い出せるかもしれない』
■21歳のはじまり、ふと思いました。
『ひとが、豊かな人生だったと思える大切なひとつは、思い出なんじゃないか』
『ならば”ひとの思い出”に関わるしごとがしたいな』
そうして見つけた職業が、ウェディングプランナーというおしごとでした。
それから約10年。
私は思い出をつくるために、しごとをしてきました。
『あの1日が、お二人のこれからに残り続けるほっと幸せな思い出の1日になっていたら、そんな幸せなことはないよ。』
23歳の私が日記に書いている。あの時も今も変わらない。
■27歳が終わる頃、縁あって転職。広告代理店が母体のウェディング事業部の立ち上げでした。
ウェディング以外のお仕事の機会もたくさん!たとえばスポーツの国際大会の開会式&閉会式施行。
そのスタッフの中にいらっしゃった老年のベテランの方々、”着物着付けの先生”や”トランペットファンファーレを吹いてくださる方”…
その方々にすこぶる可愛がって頂き、お話をたくさんする機会を頂きました。
そこで思ったこと。
『この世代の方々は、もちろん思い出をつくることも大事だけれど、すでに”豊かな思い出が在る”んだ』ということ。
幼少期から親族付合いの薄かった私がきちんとまともに向き合った老年の方々。
そこではっとしたのでした。
たとえば戦後ダンボールを机に勉強して大学試験を受けその後教鞭に立ち校長先生になった方、
たとえば亡くされた奥さんと初めて出会ったのは船旅の船の上で、いまの日課は夕刻浜辺に散歩へ出てトランペットを練習している方、
たとえば40歳で着物に出会い67歳で着付けの全国大会へ出場し入賞した方…
でも、「こういう自分の話は口うるさく感じられそうだからあまり話さない。」
なんてもったいないのだろうと思いました。
みんなみんな、素敵なエピソードばかりなのに。
それと一緒に思ったこと。
『もしかしたら寂しさを抱えて過ごす方がたくさんいらっしゃるのかもしれない。』
私を可愛がってくださる方々には一人暮らしの方々も。
その方々から、一人になって少しずつお家のなかを整理している、と聞いた時に、
『ふと、この人生で何を育んできたんだろうと思う日もあるかもしれない』…
そう思ったら次のおしごとは、
『思い出をつくるだけでなく、すでに在る思い出を”認めて”形にすることをしたい。』
“たとえばトランペットファンファーレの方なら、浜辺でトランペットを手にして、服装は温かみのある色のジャケットで写真を撮りたい”
そしたら、トランペットがその方らしいし、なにより、奥さんと出会った海に通ずる。
そう思い浮かんだら、その方らしい生前遺影や自分史をつくりたいなと、そしてそれを手に取れたとき、”育んできたもの”が何だったのかを確かめられてほっとできるんじゃないか、と思いました。
結婚式と生前遺影を同時に担当している可能性があるという、一見相反するような場合もありえる。
■それでも考えて考えてある日ふと『どちらも私にとっては同じだな』と腑に落ちて30歳の冬、独立しました。
『その方のお話を聞いて、そこに在る価値や意味を温め直し、形にした結果が、結婚式なのか一枚の写真なのかという、”形”が違うだけで、わたしが行うことは同じ。』
それが…the day.Produceのおしごとの信念になりました。
『そのひとの持つ思い出を”温ね(たずね)”形にするしごと』
思い出とは、過去の体験、経てきた過程。
そのひとの持つ過去や過程をまるっと認め確かにして、それを適した形にすること。
それは結婚式かもしれないし、 一枚の肖像写真かもしれない。
わたし自身は自分の手仕事では何にも形にできませんが、わたしの仕事をたとえるなら「珈琲フィルター」の役割。
「たくさんの考えや想いや背景をきちんと受け止め、ろ過した澄んだ一滴に抽出すること = その方らしさ純度100と言える”形”にするためのなくてはならないサポート役」。
■the day.は、コンセプトメイク〜施行を一貫して担当するマネジメントが得意です。得意なジャンルはウェディングとフォトシュート。
ここ近年はブランディングと、事業規模様々なプロジェクトの外部マネジメントも多いです。
ローカルな規模での民官連携や、一次産業の現場にロケ地としてお世話になるなどボーダーを超えての企画が好みです。
なにかを形にしたい、と意思を持ったとき、相談してくださいね。
それは結婚式かもしれないし、 一枚の肖像写真かもしれない。
お店かもしれないし、温めてきた企画かもしれない。
あなたにとっての一大プロジェクト。あなたらしい形に仕上げるお手伝いをいたします。
…the day.Produce
Wedding & Project Management
中澤 さとみ
『the day (ザ・デイ)』
人生最良の日 / その日 / いつか皆で集まったときにあの日良かったね、とゆび指すように思い出せる日。
そして私は、毎日がそんな日なのだと思っている。