明日、あさひちゃんが市場に売られる日。
あさひちゃんは、私が名付けさせてもらった初めての牛さん。
私が名付けさせてもらった農家さんは子牛の「繁殖」のための農家さん。
明日市場に出て、この後10ヶ月〜1年半程、
「肥育」の農家さんによって育てられて、いわゆるお肉になる。
今年の2月、早朝に生まれた子。
とっても人懐っこくて、
当時ニセコにいながら顔を直接見る前に名付けし
少し経ってから初めて会えた日、
群れの中にいるあさひちゃんを見つけて嬉しくて
小さな声で「あさひちゃん」と呼びかけてみたら、
さぐりさぐりお母さんの影から近寄ってきてくれた。
とてもおてんばちゃんで、
ある月齢が来て乳離れのためにお母さん牛と離したら
逃げて逃げて、
柵を強化するのと、あさひちゃんが脱走するのとが、
追いかけっこのようだったと聞いていた。
そしてお母さん牛と会えなくてしょんぼりしているあさひちゃん。
https://www.instagram.com/p/BVlDR85nQnd/?hl=ja&taken-by=nakazawanouen
夏、直接会えなかった頃、動画を見て心から癒されていた。
「一頭の牛だった」
寒い寒い雪のなか生まれて、
一生懸命生きるために飲んで、食べて、
お母さん牛に会いたくて脱走したり、
かきかきしてほしくて懐いたり。
とても当たり前のことだけれど、
そんな「一頭の牛」だった子が、
お店で「牛肉」として買えるお肉の元なんだな。
そりゃ、「頂きます」だわ。
肥育の農家さんのところに行ったあとも
かきかきしてくれる人がいてくれたらいいなとちらりと願いつつ。
第一次産業の現場を知ったあとでも、
可哀想だなんて思って食べないという選択はしないで
ちゃんと美味しく食事をしなければならないなと思う。
大切に頂こう。
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